同人音声作品の作り方
現役同人音声サークル主が、誰でも同人音声制作ができるようにまとめました。
2024年3月現在21作品をリリースし、トータルDL数90,000程度の中堅サークルが書く備忘録的な経験談です。
どんな作品を作っているかは作品一覧で確認!
一番気になる必要なお金つまりは予算から、同人声優さん絵師さんへのコンタクト、台本、音声作品の編集ソフト・効果音、販売方法とかを記載しています。
中程で今まで作った音声制作での依頼の料金など、滅多にサークルが公開しない経費と売上も出しているので、役に立つのではないでしょうか。
■2024年業界の最近の状況
2023年年初から異変は合ったのですが、この記事を更新した9月現在同人音声作品のバブルは弾けつつあり、低価格作品の乱発、10円セールなどでリスナーが聞く時間がなくなってしまいました。
大量の積み音声を前に大手サークルのダウンロード数も1/3~1/10程度に落ち込み、新規サークルは大量の作品の前に見向きもされない状況です。
これまでだったら2~3万本売れたサークルも、1万本いかないような状態が続いています。
また公開される音声作品が多すぎ、トップ新着一覧やランキング情報を見ることを止め、お気に入りサークルの新着情報メールしかチェックしない人なども増えているようです。
なので今から参入しても、鳴かず飛ばずで全く儲かる事はなく赤字になる確率は非常に高いです。
もう後5年、最低でも3年早ければよかったのですが・・・
公開サイトはDLsiteとFANZAが2強で存在します。
しかし音声作品に関して言えば、FANZAは既に見る影もないほど落ちぶれており、DLsiteの一強状態になっています。
元々は2019年頃まではFANZAはDLsiteの3割以上は売れていたのですが、2年ほどかけて徐々に売上比率が悪化していき、焦りのためか挽回のための10円セールを乱発し、自ら頒布サイトとしての魅力を低下させていった末路です。
現在では売れない音声を10円で売る?ゴミ捨て場状態としてサークルには認識されています。
コミケで挨拶に来られたFANZAの方が「音声作品の現状をどうにかしろと激が飛んでいるので、かなり力を入れた施策を行います!」と力説してまして、安売りだったら嫌だなぁと思っていたのですが、10円投げ売りだったらしいです。
結果、ランキングは10円作品で埋め尽くされ、販売数でソートすると10円のものしか売れないので、サークル主は新規作品登録を敬遠し悪循環が続いています。
これらを踏まえると新規サークルを立ち上げるなら、DLsite専売にしてもいいでしょう。
サークルから見れば公開場所が一箇所に限られるのはデメリットしかないので、今一度復活して欲しいのですが。
当サークルのD:F比率をチェックしてみると凋落していくFANZAの魅力がわかるかと思います
DLsite
FANZA
比率の遍歴
2018年9月公開
『とってもえっちな百合エステ』
DL 3342
FA 1022
30.5% この比率で1000DL以上でるなら莫大なメリットありますね
2020年1月公開
『ラブホ女子会で二人がけ催眠 友達の前で連続メスイキアクメするあなた』
DL 5660
FA 2101
37.1% DL数2000超え!だが、十分な売上比率を誇っていたのはここまで
2021年2月公開
『競泳水着彼女と性交換フタナリゆりえっち ~彼女に中出しされるあなた~』
DL 2477
FA 403
16.7% この辺りから凋落が始まり
2022年5月公開
どうあがいても絶頂…』
DL 6139
FA 693
11.2% 危険水域に
2022年9月公開
『こんなことされちゃった...』
DL 4578
FA 315
6.9% そして一桁にまで落ち込む
2023年9月公開
『メスイキ☆男の娘アイドル 〜ノーハンド射精できるからお得〜』
DL 1860
FA 150
8.0% 回復する見込みは無さそう
同人音声制作の予算
同人音声を作るにあたって、どれくらい費用がかかるか気になるところだと思います。
結論から言うと90分程度の音声作品を作る事として、音声とイラストを外注する場合、
台本、編集まで総外注なら30万円は確実に超えてきます。
そしてソフトやPC自体がない場合更に
スマホやタブレットで作れないか?と思う方もいるかも知れませんが、はっきり言って不可能です。これらはもっぱら消費に最適化していて、何かを作るのには全く向いてないです。
2023年9月現在のよくある依頼料単価
同人声優さん 1文字2~8円位
絵師さん 10,000~100,000円
これは概ねの価格で、これ以下これ以上の事もあります。
極端な話無料で受ける、いくらでも受けないという事もあります。
安めの見積もり
項目 | 単価 | 数 | 合計 |
---|---|---|---|
音声 | 3円 | 15,000文字 | 45,000円 |
イラスト | 30,000 | 1 | 30,000円 |
合計 | 75,000円 |
そこそこの見積もり
項目 | 単価 | 数 | 合計 |
---|---|---|---|
音声 | 6円 | 15,000文字 | 90,000円 |
イラスト | 70,000 | 1 | 70,000円 |
合計 | 160,000円 |
音声とイラストを相場の最低価格で90分の音声なら25,000円で作れる事になるけど・・・厳しい仕上がりになりそうな気はします。
特に最近はイラストで作品ページを見るかどうか決める方が一定数いらっしゃるので、安く済ませようとすると苦戦します。
その逆で高い費用を払えば良いものができるかと言うとそうとは言えず、そこそこの費用で依頼しても微妙な出来となることも稀にあります。
個人的にロゴは不要だと思っていますが、作ると5,000円~10,000円程度別途かかります。
イラストレーターさんが好意で入れてくれることもありますが、例外と言えます。
他、イラストは思い切って無しという手段、あるいはイラスト集を使用する手もあります。
作っている音声が激マニアックで合うイラストが無い限り、イラスト集を使うことでかなり予算を圧縮することが可能になりますね。
また最近はAIイラストの作品も増えています。
売上的には軒並み大苦戦といった様子です。
売値100円で声優さんを1万程度で捕まえられて、2万円程度売りあげられれば良いやという程度の使われ方をしていますし、リスナーもそのような視線で見てます。
下の方でも書いる通り台本の外注はしたことがないのですが、2~5円程度で15000文字なら5万円程。
編集の外注もしたことがないので詳細はわかりませんが、ソフトが自動でやってくれるノイズカットの整音だけなら1万円。
人力でのボイスカットやタイミング調整、バイノーラル化、効果音入れなどを頼むと3~10万円程度はかかってもおかしくないのではないでしょうか。
意外と負担になるスタジオ代
収録に必要なスタジオ代がかかる事もあります。
15,000文字だとベテラン声優で最低3時間、ベテランでないなら6時間程度は余裕を持って欲しいところ。
経験でミステイクの頻度がかなり変わります。
場所によりますが6時間借りると30,000~60,000円。
そしてバイノーラルだと割増・・・
KU100使えば更に割増・・・
マイク壊れればサークル側で賠償・・・(本当)
KU100壊したら120万円弁済、交渉次第で減らせるかも知れないけど。
特に高品質マイクに使用されるコンデンサーマイクは湿気に弱い、耳舐めなどをすると壊れる可能性が・・・
そんなリスクを回避して安く作るなら宅録にしたい所です。しかしリテイクが大変でずるずる収録の完了が遅くなっていきます。
その点、その場でディレクションできるスタジオは納期に追われているときなどとても便利。(特にコミケとかコミケとかコミケ)
弱点として事後のリテイクが不可能なこと。
立ち会いの際に音声と台本に集中して、絶対に、絶対に、間違いがないようにしないといけません。
そこそこの見積もりに出てきた色々追加 総外注想定
項目 | 単価 | 数 | 合計 |
---|---|---|---|
音声 | 6円 | 15,000文字 | 90,000円 |
イラスト | 70,000円 | 1 | 70,000円 |
ロゴ | 10,000円 | 1 | 10,000円 |
スタジオ代 | 8,000円 | 6時間 | 48,000円 |
台本制作 | 3円 | 15,000文字 | 45,000円 |
編集 | 50,000円 | 1 | 50,000円 |
合計 | 313,000円 |
編集の値段はいい加減な数値ではないのですが、結構幅があります。
宅録なら安く上がるけど、めんどうな事も
だったら宅録でリテイクがなければ安くて最強・・・だと良いですが自分の間違い、相手の間違い、ニュアンス違い、除去困難なノイズ乗り・・・15,000文字程度あれば必ず1~2箇所はあると思ったほうがいいでしょう。
超ベテランかつ漢字に強い方でない限り、5箇所程度は修正したくなることが多い。
高い音声はどれくらいかかるか?
初めて同人音声を作る人のために、安め~そこそこの予算の話をしてきました。
じゃあ高い音声はいくらくらいかかっているか・・・
物量を限りなくつぎ込んだ5万文字くらいの大作、あるいは漫画付きの音声などの製作コストは40~60万円位になり。知ってるサークルさんですと色々やってたら100万円超えた!というのも時々聞きます。
100万超えは音声以外のところにお金かかってますけどね。
同人音声の利益
せっかく作るんだから、趣味とは言えど売れて儲けられたら嬉しいですよね。
またビジネスとしてやってみるという方も居るかも知れません。
ですが同人音声業界は割とレッドオーシャンなので、経費ばかりかかってしまって儲からない事なんて珍しくありません。
そもそも外注が多いので、全て自分だけで作れるCG集や漫画などと比べると損失は出やすいです。
いつの間にか消えていくサークルさんの多い事・・・1~3作程度作って消滅するサークルが8割という印象です。
処女作から利益を上げられた当サークルはとても運が良かったと言えます。
もし音声で20万円の必要をかけた場合1000円の音声を定価で売るなら1本あたり660円の売上なので、300DL程度が採算分岐点です。
売れている音声ばかり目に行きがちですが、しっかり作っているような音声でも300DL行かないもの、ある程度行っているが実際は割引してなんとかクリアしたもの・・・結構苦戦している音声が目に付きます。印象ですが音声作品の半分は届いていないような気はします。
ただし、一度公開したら追加コストはかからず売れ続けるのが強み。
採算割れ音声もいつかは到達するでしょう。
そして採算分岐点を超えたら利益は青天井になるので、みんなが末永く喜んで手にとって貰える音声作品を作ることを目指しましょう。
同人声優さん・絵師さんへのコンタクトと納期
私の依頼の成功率、同人声優さんは100%、絵師さんは70%位でしょうか。
同人声優さんはお仕事を募集しているので、無茶を言わない、初コンタクトからヤバそうなクライアントという雰囲気が出てない限り、そうそう断られることはありません。
絵師さんの成功率で「お仕事を募集している人」に限れば90%位になります。ダメ元で送ったのが成功率を下げてます。
お仕事の依頼
ツイッターからブログやHPへのリンクが普通あり、ページのどこかに「コンタクト」や「お仕事の依頼」があるのでそこにある注意文を読んで指定された形式で送ります。単価や納期、予定や空き状況が確認できる事もあります。
初回の依頼は上記の正式な方法で必ず行うこと。ツイッターで繋がっていても所詮他人ですから、指定以外の方法で連絡しないように気をつけましょう。
稀にそういうフォームが無い事もあります。
どうしても頼みたい場合
メールアドレス(HPかpixivにある) → pixivのDM → ツイッターのDM
手に入る優先度順でアタックしてみましょう、高確率で何も返って来ないか、お断りの返事が来ます。
お断りの場合はともかく、返って来ないと判断に困りますね。
なのでこの依頼の仕方の場合「1週間返事がなければ依頼はなかったことにする」という事を失礼無いように記載しておきましょう。
知り合いのサークルさんのお話ですが1年以上経過してから「引き受けます」という驚きの返事が返ってきたこともあるそうですよ。
何度か依頼したりリアルで交友がれば、DMとかディスコードなどで「依頼したいけど来月くらい空いてますか?」と投げかけても良いかも知れません。
この方法はコミケなどで1ヶ月以内に音声を揃えなくてはならない、そんな時にしばしば使います。
信頼関係があればある程度、無理は効くようになってきます。
ですがそんなノリで依頼するのは初回だったら絶対止めたほうがいいです。
立ち上げ直後のサークルでしたら信頼が未知数なのでやってはいけませんよ。
よくよく依頼内容に不備がないか確認できたら、依頼を出しましょう。
そして返事を待ちましょう。
快諾
良かったね!条件ありOK
長くやってると意外と交渉することが多い印象を受けます。代替案を出される
条件有りの一種として、先方からそれでは難しいので別の条件を提示される場合がありますので、条件に問題がなければ受けましょう。断られた時
諦めるかどうかは返事の内容によります。
その納期では困難です。予定が埋まっています。○万円では困難です。
具体的な理由で断ってくる場合、断り文句かも知れませんし、本当かも知れません。
私の場合今の所100%本当の理由でして、条件を変えたら全員OKの返事が頂けました。
納期や予算を変える余裕があるなら、1回位は条件を変えて再度依頼してみるのも悪くないかも知れません。(地雷となる可能性もありますので相手との関係を見定めて慎重に)
同人作品は承っておりません。仕事を募集してません。忙しくてムリです。
諦めましょう。絶対無理です。
そもそも返事が帰ってこない
仕事募集されている方ではまずありませんが、1度だけありました。
しかしそれはメール事故でした。
○日経過しても返事がない場合は再度ご連絡ください。と書いてあれば場合はその通りに、ない場合でも1週間過ぎてなにもなければ再度連絡すべきです。
遠慮する必要はありません。メール事故の場合あなたが無視していることになりますからね。
表では書きにくい
依頼のQ&A
同人音声台本の書き方
私は書く時は集中しているらしくワードで1ページに3回くらいしか改行がないほど、びっしりと横文字で書きますが、声優さんからはとても不評のようです。
相手からしたらクライアントなので直接文句を言われることはありませんが、読みやすい合間をとりましょう。
最近では改行もぐっと増えて1ページあたり10行くらいになりました。少ない・・・
声優さんに聞いた限り形式はテキストでもワードでも何でも良いらしいですが、縦書き出力できるなら縦書きのが喜ばれることが多いです。
個人的にはテキストファイルは互換性が強いので、声優さんの方で好きな形に加工できむしろ良いのではないかとすら思います。
ですが"PDFだけ"などはやめたほうが良いでしょう。
声優さんの方で直接加工出来ないため、嫌がられる可能性はあるでしょう。
好きなように書いて良いですが、指示事項は指示を必要とする前に必ず書くことと、エディターで書く場合は現在ページをヘッダーないしフッター必ず入れましょう。
外注・・・したことがないです。
己の作りたいものをユーザーに知らしめるから、同人は楽しいんじゃないかと思います。
とはいえど目安や探し方ですが、ツイッターやクラウドワークス、ランサーズで募集依頼などが見られます。
同人音声の台本の費用としては1文字2~5円位が相場でしょう。
催眠音声の外注はほぼできません。
現役のサークル主はだいたい自分の作品で手一杯です。
なので依頼を受けてくれた人に実績はほとんどなく、外注するとすごく低品質なものになりがちなのです。
まともな台本を希望する場合、現役の催眠音声サークル主に依頼するしかありません。
しかし自サークルで十分収益がある、自サークルで手一杯で書けない事が多く1文字20円でも動いてくれる人は少数でしょう。
もっとも共同販売や原作のコラボレーションなど、サークル主がやってみたい企画がある場合はこの限りではありませんが。
編集・効果音
1万、2万売れてるサークル主でもサウンドエンジンフリーを使っている事もありますが超例外です。
絶対にDAWという編集ソフトがあったほうがいいです。
編集を外注するサークルさんもしばしば見ます。
ですがどう編集してほしいかというのは、声優さんが台本を読むよりニュアンスが伝わりにくく、立ち会いで編集してもらわないと自分でやりたい事を上手く伝えにくいのではないかと思います。
DAW
使いこなすのは難しいですが、同人音声で最低限必要な項目は少ない。
複数人で掛け合う音声だったら必須レベルで、それ以外の作品でも重宝する重要な機能は下の画像みたいなマルチトラック機能。
画像では13トラックに分けて色々なタイミングや方向(ソフトウェアバイノーラル)でシャッターの効果音がなるようになってます。
これが使えるか使えないかは作業効率が大幅に違います。
SteinbergのCubase Elementsなら2万円以内で購入できるしオススメです.
Elementsで多分十分ですが、もし不満なら上位グレードにアップグレードも可能です。
音声に乗ったノイズはDAWで単体では対処はほぼ出来ないが、音声前に乗りがちなリップノイズ・ブレス音など細かく除去できる。
ただしそれらを取りすぎると、突然声が出てくるわけで不自然な気もするから、個人的にはある程度残したほうがむしろ良いんじゃないかなぁと思っていたりします。
無料のDAWもありますが使ってないので評価不能。
波形ソフト
DAWに似ているが全く違うもの。
マルチトラックが使えない事が多いので、同人音声作りには向いてない上に意外と高い。
マルチトラックの必要がない、ノイズ取りやカッティングに使いやすいので声優さんが納品のために使っているケースが多い。
そういう用途に向いているので声優の○○さんが使ってるからこれにしようと選ぶと絶望します。>
ただwave labなどDAWにはなくて使いたい機能がある場合も・・・
izotope RX
よく聞く音声修復ソフト。これは音声全体の大まかなノイズ取りに使う事が殆ど。
無いとは思うがエアコンのノイズが終始入っているなどにはとても使えるだろう。
そういった全体に均一に乗ってるノイズなど一気に消すのが得意。
だが、音質は当然変化する。
リップノイズなどはDAWで編集していくと、より丁寧に原音のままノイズが除去できるので、無理して買わなくていいのだが、音声のノイズを一気に除去できる利点があるので時短したいなら、無料だったり安い(3000円)Elementをまず入手しよう。
Standardにすると音声に乗ったぐちゅぐちゅしたマウスノイズも除去できるなど高機能になる。
無料でElementを手に入れてクロスアップグレードすることで2万円位で入手も可能。
Elementでも十分な機能があるけど、まだ足りないとかバイノーラルだと音声にマウスノイズがかなり乗るので、気になるならStandardくらいまでなら揃えてもいいかも知れません。
waves
編集ソフトではなくDAWの機能を拡張するプラグイン集。
100万円位するのが頻繁に97%OFFなどで売ってる割引の殿堂。
買ったけど一度も使ってない・・・スゲー無駄。
昔は本当に定価で売っていたそうで、ローンを組んでまで買った人達がいるそうです。
効果音
自分で効果音を作ってもいいですし、買ってきて付け加えてもいいです。『ラブホ女子会で二人がけ催眠』の1パートに放尿の音を使ってるけどこれは流石に買った。
ところでそもそも論になってしまいますが、えっちな音以外の効果音を嫌うリスナーも多い。
ドアの開閉音とか、虫の音とか、雨の音・・・果たして本当に重要か考えてもいいでしょう。
それでも効果音をもりもりにした場合、効果音無しトラックをしっかりと用意しないと一部からクレームが来るかも知れません。
PC
はじめに言いましたが、スマホやタブレットで音声作品を作るのは不可能です。
クリエイターならPCを持ちましょう、そしてできるならデスクトップPCです。5万程度のものでもそこそこ高性能なものが手に入ります。
パソコン選びを書き出すととても長くなってしまいますので、メモリは最低8GB以上、CPUはこちらの性能一覧サイトから検索しCPU Markが最低でも5000程度はある事を確認しましょう。
国内出荷PCはの8割以上がノートPCです。
しかしノートPCは入力インターフェイスの劣悪さと性能の絶対的不足から、編集では緊急事態のサブ的な使い方でどうにか使用できるというレベルで色々と効率が悪い。台本作りには重宝しますが。
外付けで大型ディスプレイやキーボード、マウスを別途購入すると操作性は向上します。
ノートPCしかなくてそれ以上費用が出せないよって場合、初めのうちは仕方ないかな・・・
ヘッドホン
ヘッドホンはSONYのモニタリングヘッドホンMDR-CD900ST一択状態。
かなり古いモデルだがスタジオでのモニタリングは未だにこれが使用されており、飾らない音質でノイズもダイレクトに聞こえます。
間違えてもリスニングヘッドホンで編集することのないように。
音楽が聞きやすい調整をされているので、編集には向きません。
販売方法
台本作り、イラスト、声優さんによる音声化、編集・・・ここまでこれれば音声は完成しているはずです。
同人音声作りはこの様にそこまで難しくなく、普通に会社員やるより楽です。
早速公開したくなる・・・その気持もわかりますが、完成したら必ず自分で一度全部聞くこと。
かなりの確率でノイズ逃し、音声の切り出しミスなど、どこかおかしい事があったりします。
過去には一度も自分で聞かなかったばっかりに、悲劇的な運命を辿った催眠音声サークルさんもあります。
通しで聞いて問題がない。
完全に完成したと確信できたら、発売・・・!
その前に紹介文はしっかり書けていますか?
自分では理解できるけど他人が読んだら意味がわかりにくい事もありますから、紹介文は一度確認しましょう。
そしてそれらに問題がなければ、ダウンロードサイトにアップデートして公開を待つだけ。
通常1日あれば審査は完了しすぐに公開になります。
ディスクで売りたいイベントに出たい
コミケなどイベント、とらのあな、メロンブックスで頒布したい場合はディスク化する必要があります。
利益率はダウンロード公開よりかなり悪いですが、ユーザー層が結構違うのとイベントに出ること自体が楽しいという理由もありますよね。
まとまった数のディスクは特殊なマシンがない限り、プレス会社に依頼して作って貰う必要があります。
150枚位まではコピーディスク、オンデマンドのインクジェット印刷で、それ以上の場合プレスディスクにオフセット印刷ジャケットにすると割安で綺麗に作れます。
ダウンロードカードという手もありますが、イベントでは目立たないので新作がないと思われる事も多いみたいですヨ。
ところで上記のようにイベントはDL販売より遥かに労力が大きく、尚かつ製造費が加算されるので利益と利益率という点ではDL販売より大きく劣ります。
大きな理由として価格設定があげられ、そこそこ人が来る人気サークルとなれば、1日に300人程度はブースにお越しいただけます。
そうすると列ができるのを防ぐためにコミケだと1枚1000円など区切りの良い値段にせざるを得ません。ダウンロード販売が1200円だからと、コミケでもその値段に合わせるとお会計で大混乱必至です。
税込み1320円とかしようものならブーイングとなる事でしょう。
そしてこれがとらのあなさんやメロンブックスさんになると、更に3割くらい手数料が発生します。幸いコミケみたいに1000円にする必要はありませんが、制作コストを考慮すると1枚売れて利益300~500円程度しか出ない事も少なくありませんし、在庫のリスクもあります。
それでも作りたいし、イベントに参加したい。
そう思えるならきっとイベントも楽しめるでしょう。